Monday, October 9, 2006

[廈門・124日] 路地裏のDVDショップ

土楼見学から戻った翌日、廈門は青空が見え、この時期にこんなに蒸し暑いのかという日の夕方、わたしがルパンIVと呼ぶ前の運転手から電話が入った。家で食事をしないか?というもの。まもなく車がやってきて彼の家に向かった。

彼の住むあたりは廈門の旧市街の中心だったところ。洋館風三階建ての連続アーケードを持つ商店街にある。奥さんがメンズウェアの店を開いている。道幅は狭く、人と車が入り乱れている。子供たちの遊び場はこの街路、向こう三軒両隣の関係である。この店、以前は向かいに開いていた。隣人の家から出た火で内部が丸焼けになってしまい、移ってきたもの。内部は雑然とし、どう見てもどこもかしこも整理されているとは言い難い。

二階はルパンが手を入れて、仮住まいのように部屋が仕切られている。その一室のちょっと広い部屋でルパン手作り料理をご馳走になった。我が秘書の田舎味と違い、彼の味付けは薄くわたしの口にあった。肉料理が少なかったのは、わたしが肉をあまり口にしないのを知っているルパンの配慮だろう。かわりに魚が食卓に上がってきた。わたし以外の人間は手をつけなかった。魚はあまり人気がないようだ。

食事を終え、彼が廈門で最も賑やかだといわれている歩行者道路に出かけた。ここはやけににぎやか。モダンな店が並び、華やかに着飾った若者たちが溢れ、家族連れが路上のオープンテラスで飲料を口にしている。それにやけに長い。どこまでもどこまでも続いている。

すでに夜中の九時。彼の店に戻る途中ビデオショップを見かけた。聞いてみる。「韓国のDVDある?」、店の女性「ここにはないわ」、「あっそ」とわたし。すると彼女「ちょっと待って」。どこかに電話を入れると間をおかずに若い女性がやってきて手招き。我々を薄暗い路地裏に。「どこに行くの?」、「ついてくればいいの」。路地の奥の奥、曲がってまた曲がって、たどり着いたのが掘っ立て小屋のような建物。ここがビデオショップの本拠地だった。小さな部屋の中は棚いっぱいのDVD。学生らしい若者たちで溢れている。

あるわあるわ、韓国版だけでなく米国も本家中国のDVDも、最新版DVDはほとんどあるのではないだろうか。目についたものの中から素早く手に会計。うーん、この値段で手にはいるの?我々会計を済ませるとそそくさと木戸から外に出た。

家に戻りNHKで放映された「オール・イン」という連続劇を見てみる。問題ない。オーディオは韓国語と日本語、問題ない。サブトラック、韓国語と日本語。日本語をポチして再生してみるとどうだろう、そこには中国語が。そうなんだ、ここは中国なのだ。日本語をポチしても誰もそんなの見るわけない。中国語の学習用にはいいだろう、そう納得することにした。

[ 写真: わたしのご贔屓の二人。男優のイ・ビョンホン。女優のソン・ヘギョ。二人が競演の「オール・イン」と黒社会を描いて白眉な「甘い人生」。 ]

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