Friday, June 30, 2006

[厦門通信] 突然にシンガポール



[廈門・23日目] ようやく住まいも決まって、落ち着いて仕事の準備でもしてみるか、なんてのんきに構えていたところ、突然のシンガポール出張です。どうやらあの人この人あの会社と、私を引き出して面通しをしているようです。まあ、計画中のプロジェクトのネタ探しみたいなものでもあります。

シンガポールなぞ初めてですし、私は興味も沸いてきません。それでも仕事は仕事です。偉いさんと一人の建築家と三人の旅と合いなりました。収穫といえば、ラッフルズホテルが見れたことですか。二泊三日という短期間です、チャイナタウンも、運河沿いのバー街にも足は運んでおりません。70階のホテルのバーから夜景を臨みながら、地元の人間にあれこれ聞いただけでした。遠く見える光景から、あちらがインドネシア、こっちがマレーシアと、国境が見れたことが印象的だったでしょうか。

ここはインド系が多いんですね。華僑も多いので中国語で通せるかと思いましたが、結局つたない英語が必要になりました。疲れただけの出張だったので、シンガポールの話はこれで全です。
(おっと一言。早朝にチェックアウトしたときのことであります。透明度ある白いドレスをまとった背の高き超美形が下着を惜しみなく見せておりました。その筋の方ですねー。脇に白い色系のむくつけき男が同行しておりました。この話もこれでチョン!)

Thursday, June 29, 2006

[厦門通信] 「甘い人生」のようには・・・いかない

[廈門・22日目] 今日は現在建設中のホテルに設える彫刻ができあがったというので同行させてもらいます。福建省のこの辺りは大理石などが産出されることで有名です。高速道路から見る山々の地肌はみな石なのです。一帯が石の固まりなのです。この日の出来事はまた別の機会に・・・  毎日の食事、面倒くさいといえば面倒くさい、マンションを出れば小綺麗な店が並んでいますし、一歩裏に入れば食い物屋だらけ、それも安い。わざわざ自炊する必要もないのです。はじめは日本にいたとき同様、玄米を食し、魚を口にし、などなど菜食主義を装うとしましたが、まず玄米が手に入らない、島の先端にある廟あたりの素食屋さんを探さなければ駄目らしいことがわかりました。
それでもモダンリビング様なキッチンをそのままではもったいない。居抜きの時に冷蔵庫も皿洗い機もついていましたし、(私皿洗い器って使ったことがないのでまだいじっておりません)自炊もするつもりだったので、ホームセンターでマイクロウェーブ(電子オーブン)・炊飯器・トースト用のオーブンと食器セット一式を購入しておりましたです。
結局テーブルの上に並んだのは、朝食は黒ごまペーストにバターを塗ったトースト・ベーコンエッグ・野菜サラダ・オレンジジュースが定番に、夜は外で台湾小菜のお店でお粥とスープと野菜の煮物に油で揚げた魚か肉の混ざった煮物が基本となっています。この店では「外帯」、テイクアウトができますので、持ち帰ってテーブルに並べています。
とはいっても夜は大部分接待や人からご馳走になったりと、一寸中華が食傷気味なのです。

Wednesday, June 28, 2006

[厦門通信] 「甘い人生」のように

[廈門・21日目] 鼓浪嶋という小島での部屋をあきらめ、不動産屋が提案したマンションの13階に住むことにしました。部屋の持ち主と契約です。

契約に必要なものは身分証明書、三ヶ月分の部屋代、不動産屋へ半月分の手数料、あとは持ち主が現場で一通り説明なぞして確認の上にサインとなります。立ち会ったのは持ち主、私、不動産屋のお姉さんと会社の運転手。運転手は車の送迎だけでなく役員のあれこれを身を粉にして動き回ってくれます。

お互い身分証明書を見せ合います。私は海外の人間ですからパスポートを提示します。持ち主は聞きます。「華人ですか?」、つまり華僑かということ。不動産屋のおねーさんにはマレーシアの華僑ということになっていましたので、なぜそうなったかというと、私はあまり話さない、話しても少し変な中国語、純粋に外国人だと何が起こるかわからないということで、CMのおにーさんが勝手にあちこち見学しては口にしていたからです。持ち主は「マレーシアの華僑ではないのですか?」。もう面倒くさい、日本の華僑にしてしまいました。

部屋にも周りの環境にも満足です。他の住み手からは早速声をかけられもします。早く外国人だと思ってほしいのですが、適当に返答してしまい、おかげでまだ中国人で通っているようです。いいことだかどうだかわかりません。それでもそんなやり取りを楽しんだりします。

100m2強の広さに二部屋です。ゆったり過ごせます。一部屋を書斎に使っており、床から天井までガラスの出窓に向かってblogの投稿をしています。目の前の夜景がまるで韓国映画「甘い人生」の一シーンを思わせたりするのです。

Tuesday, June 27, 2006

[厦門通信] 部屋探し-II

[廈門・20日目] 廈門本島からフェリーで僅か10分たらず、鼓浪嶋という小島で部屋を探したときのことをお話しします。

今回の仕事では、私以外にも何人かが参加することになっています。施工がらみでCMを、管理運営でマネージャを。そのうちの一人、台湾人で現在は上海に住み、寧波で仕事をしているCMを担当する予定の総経理がこちらにやってきました。彼も住み家を捜さなければなりません。一緒します。一日目はごく普通に不動産屋が紹介する部屋を見学、翌日私が鼓浪嶋という島に住みたい旨を伝えると、それではといって渡ってみます。

まずは不動産屋を探します。あいにくその日は日曜日で店は開いていてもただの留守番が一人座っているだけでした。外に出ると若い男が近寄ってきて何か言っています。私にはわかりません。同行した彼がうるさそうに振り切ろうとしますが、それでも早口で話を続けています。ふと気がついたのか、友人がどこかに貸家はないかと切り出しました。島の男は事情通です。どんな家がいいのか聞いてきます。私、間をおかずに注文を出します。「古くてもいい、いや古ければ古い方がいい」。したり顔をしながらすぐに案内を始めました。

フェリーの桟橋から歩き始め、坂を上り、坂を下り、曲がりくねった路地を抜けて一軒の家の前にたどり着きました。朽ちかけているとはいえ、しっかりした土塀と観音開きの立派な門を持った一軒家です。門の脇のいまでは扉の無くなっている通用口をずんずんと入り込んでいきます。庭先で子供たちが遊んでいました。我々が入っていっても気にもとめません。

建物はおそらくコンクリートの壁構造と耐力壁以外に煉瓦を積んでいると思われます。表面のモルタルは味のある色合いを醸し出しています。1階には二世帯が住んでいるようで、簡単な鉄筋の柵で仕切られていて、同じしつらえの門がついていました。手前の階段を上がっていくと、そこが目的地です。玄関前は広々としたテラス、そこから海が望めます。隣の租界時代の住居ものぞくことができます。住人は不在だったようで、残念ながら室内へは入ることができませんでした。決して裕福とは思えないこの住人たちですが、とても素朴な味わいが感じられました。

一つ問題があるとするとトイレ、家から出て、階段を下り、中庭の共同便所を使わなければならないこと。しかし市内では決して得られない環境です。棄てがたいものがありました。諸般の事情で今のところ実現は不可能なのですが、週末を過ごすぐらいなら可能かとも思っています。籐製の家具を用意し、テラスでビールと煙草を味わう、(おっと、まだ煙草はやめられないでいるのです。)いいですね。

先のことなどわかりません。とりあえず海と緑とフェリーと租界という魅力的なキーワードを記録しておきました。

Sunday, June 25, 2006

[廈門通信] 部屋探し

[廈門滞在16日目] 廈門に来てからすでに二週間が過ぎています。先週初めに雨期が去りました。真夏です、廈門は今。で、とりあえず簡単な報告を。

到着と同時に始めたのが部屋探しです。 海を望める部屋が条件でした。しかし足下の環境が悪かったり、買い物なぞが不便だったり、これという物件が見つけられませんでした。鼓浪嶋 [gu lang yu] という元居留地の小島で部屋を探し当てたものの、通勤の不便さから会社から却下されました。しかしこの島、車もなく、緑と海が眺められますから棄てがたい。いずれ 週末住居として借り受けられたらと考えています。(日本との物価の差を考えれば嘘のような額です。大それた考えでは決してありません。ただし首にならずに 滞在できたらですが・・・)

結局、ちょっと値が張りましたが、並木の美しい青山・表参道あたりを伺わせるマンションの13階を選択しました。背後は小高い丘、道路の向かいに は超高層ホテル。その先に人工の湖が僅かに望めます。そこが廈門で一番の高級住宅地だそうです。家具や空調機・洗濯機・冷蔵庫・皿洗い機なぞなぞ一式つい ての居抜きです。家具・設備付きはこちらでは普通、というより無ければ客がつきません。100m2で2寝室、主寝室にバストイレ、後は共用のが 一つ。この部屋の住人、モダンリビング派のようで、他で見たチャイニーズクラシックのコーヒーカラーの設えと違っていました。床は白の大理石、照明 器具はモダンデザインです。結構統一感があり、落ち着いていました。悪くありません。これで日本円に換算して月約6万円です。生活差の大きさに驚かされた 次第です。

直ぐさまホームセンターに出向いてシーツや上掛け、枕など一式を購入、契約と同時に移りました。三ヶ月分の部屋代と不動産屋に半月分の手数料を支 払い、掃除の人間を入れ終了です。掃除代、一時間10元、約150円、翌日までかかったので延べ8時間、1200円相当です。かつて西洋人が自国の植民地 で贅沢三昧できたのが実感できます・・・

Wednesday, June 14, 2006

[廈門通信] 廈門滞在一週間

[廈門・7日目]6月8日早朝、成田を離れ、昼過ぎに廈門空港に降り立ってから一週間がたちました。到着したその日から部屋探しが始まり、こちらの希望、部屋主の要求、決めたと思えば家具や設備が届かない、などなど思い通りに事は進みませんでした。昨夜、ようやく部屋探しが終了、新しい生活の拠点を確保したことになります。

あれほど田園の生活を、草いきれの勝間に住み着いて十分満足していたのに、大都市のど真ん中、高層アパートからきらめくビル群を眺める場所に移り住むなど考えてもいませんでしたが、意外に満足してしまいました。かなりいい加減ですね。

願わくばと離れ小島からフェリーで通勤という狙いは、台風や霧でフェリーが止まってしまった場合はどうしますか?という一言で頓挫してしまいました。それでも機会があれば、ひなびた、朽ち果てそうな、蔓の絡まった壁を持つ家への思いは棄てていません。何より海が見え、緑が多く、高層の建物もなく、車の走らない島です。週末に過ごせればそれでもいいのです。(何と贅沢な!と思われるかもしれませんが、日本の生活水準から考えれば、十分可能なのがなんとも言い難いのです・・・)

[写真は離島で見つけた部屋からの眺めです。トイレは中庭まで下りなければなりません。]