Tuesday, February 8, 2005

消えた老眼鏡

酒の席が元で老眼鏡をなくしてしまいました。そこに到る経過は、オーナーとの会食の席から始まりました。記憶を失って気がつくと翌日の昼過ぎ、見知らぬホテルでした。普段の眼鏡が、そして仕事になくてはならない老眼鏡までもが見当たりません。目を細め、辺りに注意を払いながら宿泊先に戻ります。

そこでまずしたことは眼鏡屋さんを探すこと、小売店など不案内な台北市内、ホテルのフロントに尋ねてみます。右手を顎にあて、一寸考えた後にある場所を教 えてくれました。ホテルを出て真っ直ぐに大通りを三つ越えればあるはずです。歩ける距離です、歩き始めます。結構な運動になることに気がつきました。なお かつ途中に何軒か眼鏡屋を見かけました。しかしフロントの教えに従います。きっと素敵な店にちがいないと・・・
たどり着いた先は間口一間、奥行き二間のこじんまりした店。棚に飾られた品数も余りありません。当然ファッション系などありません。店の主人は退屈そうに新聞を読んでいました。目論見は外れました。

私「老眼鏡ありますか?」
店「○×△□・・・」
何か眼鏡の専門的なことを聞いているようです。
私「えっつ?」
店「臨時に使うのか?それともちゃんとしたものか?」
私「臨時です」

引き出しから出てきたのが写真に写っている眼鏡、見掛けはなかなかいい。
私「2.5がほしいのだけど」
店「ないな」
私「では何度のがあるの?」
手にしたのは2.0、掛けてみます。
店主が先ほど読んでいた新聞を目の前のかざして言います。
店「どうだい、見えるかい、違う違うもっと近づけて・・・」
私「フレームの色、別のないですか?なんか女性用みたいで・・・」
薄紫色です。
店「ないない、これだけ」

見えないことにはどうしようもありません、購入することにしました。
店「250元」と気を張っていいます。値切られるとでも思ったのでしょうか。
私「小銭ないのでこれで」千円札を出します。
今度はお釣りがありません、店主、店を出てどこか両替に出かけます。
十分待たされた挙句ようやっと戻ってきました。
その間、手に入れたばかりの老眼鏡で店に置いてあった新聞を眺めていました。
日本円で約八百円強でした。

ホテルに戻りフロントで結果を報告します。意外と評判がいい。私もその気になっていました。これで何とか残りの日々を過不足なく過ごすことができそうです。

日本でもそのまま使い続けているこの老眼鏡、私の周りにも評判がいいようです。次回台湾を訪れる時にはみなから注文をとろうか、贈り物にしようか考えているところです。

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